何を変えれば生産性は上がるのか?ー「生産性」を考えるシリーズ #2


みなさん、こんにちは。

「生産性」をキーワードに仕事や身の周りのことを考えていくシリーズ、2回目は生産性を高める方法のうち、実現しやすいものを考えてみたいと思います。

生産性を高める、実現しやすい方法とは?

何度かお伝えしている通り、生産性は「インプットに対するアウトプットの比率」で表されます。生産性を高めるには、

  • 1.インプットを変えずにアウトプットを大きくする または、
  • 2.アウトプットを変えずにインプットを小さくする


いずれかの方法しかありません。

この2つの方法のうち、どちらがより実現しやすいでしょうか?

具体的に考えてみましょう。
ビジネスの領域では、インプットは経営資源、すなわち利用設備の投資額やキャパシティ、投入労働力や収益の機会(例えば集客数)などです。
アウトプットは成果、つまり生産物の数量や金額、あるいは付加価値額や利益などとして表されます。

生産性を表す式には登場しませんが、現実的に考えるならば、インプットは即アウトプットに自動的に変わるわけではなく、「時間」という概念が発生します。つまり、2つの方法のいずれにも、インプットをアウトプットに変える「プロセス」が存在します。生産性を上げるということは、このプロセスを工夫することで、2つの方法のいずれかを実現していることだと考えられます。

コントロール可能なものを探す

では、インプット-プロセス-アウトプットのうち、コントロール可能なものはどれでしょうか?

ある成果を得ようとする時に、投入する資源の量は人為的に決めることができます。というより、まったく新しいことを試す場合でも、何らかの制約(例えば予算や納期)によって決めざるを得ない、というのがインプットです。つまり、インプットはコントロール可能です。

プロセスはどうでしょうか。プロセスは簡単に言えば「やり方」「手順」です。見込み客10名の獲得を目指して、新製品の紹介セミナーを実施する時のプロセスを考えてみましょう。

  • a.「ランダムに顧客リストから1000名を抽出し、メールで案内を出し、来場者アンケートで”紹介された製品に興味がある”と回答した人数を数える」
  • b.「類似製品の購入履歴がある既存顧客に、予めアンケート調査を行い、”紹介される製品に興味がある”と回答した人にのみセミナーの案内を送り、来場したら営業員が1対1で説明し、好感触を得た人の人数を数える」

a.b.のいずれも、見込み客10名を獲得するための方法としては妥当かと思います。a.は機械的にできることが多く、b.はより手間がかかっています。しかし、求める成果が「より確度の高い見込み客10名」だったらどうでしょうか。b.の方がより受注につながりそうであれば、手間は「必要なインプット」として受け入れ、b.を選ぶのではないでしょうか。そして、実際のところ、求める成果は「(数値としての単なる)10名」ではなく「(より受注につながりそうな)10名」であることが多いのではないでしょうか。

目標とするアウトプット次第で、プロセスは変えられます。というより、工夫せざるを得ないといったほうが正しいでしょう。

最後にアウトプットですが、これは直接コントロールできるものというよりも、インプットとプロセスの組み合わせの結果として表現されるものと言えるでしょう。

つまり、コントロール可能なものは、インプットとプロセス、ということになります。
そして最初の問いである、

  • 1.インプットを変えずにアウトプットを大きくする または、
  • 2.アウトプットを変えずにインプットを小さくする

いずれが実現しやすいか?ということについては、コントロール可能なものを直接変えるアプローチである2.の方が、実現しやすいと言えそうです。

インプットを少しずつ減らすことは日々の改善でできそうです。
典型的なインプット削減(時間短縮)の例としては、

  • 定型的な入力作業はExcelでVBAを組んでみる
  • 英文メールはテンプレートを活用する
  • 会議は前もって議題を決めて開始終了時間を守り、決まったことはその場で期限付き・記名付きのToDoリストにしてしまう

などが挙げられます。

こういった地道な改善はもちろん重要です。しかし今、もっと劇的に、インプットをぐっと減らせる事象が様々な分野で起こっています。次回はそれを紹介したいと思います。

では、また!

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